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いくつか書き出してみます。
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一
誰でも、自分の親から某年某月某日某所で生れた。之は訂正されぬ絶対の運命である。人間には盲従せねばならぬ事がある。此の真理を解せず、凡てに我が儘が通ると思つたら、悲観し又煩悶する。
二
偉大なものを持たない人間は、すぐに自分を大きく思う。 絶えず伸びて居る人間は、いつも自分を小さく感ずる。 小さくは感じながらも大きくなり得る望みをもつ。
三
やれるだけやる。結果は成行にまかせる。 結果がよければ尚やる。 悪ければ、考え直して尚々やる。
六
善い事だと思ながら尚 行い得ないのには二つの原因がある。 一つは、本当に知らないから 他の一つは、愛が足りないからである。
七
私は急ぐ。人を愛するから急ぐ。溺れかゝって居る子を、来年まで見過ごしにする親はない。徐々に進むとゆうのは、徐々に進めてもよい事か、それほどになまぬるい人間のする事である。
九
大自然の中にころげこむと、自然が自分の家になる。 人間の中にころげこむと、人間が自分の家族になる。
一五
自分の仕事に命を投げこむと、自分の天職がわかる。 そうして自分の力量がわかる。
二四
不滅の霊は、自身と同じ様な不滅な仕事を要求する。正しく仕事が霊に託されて居る。それは自己と全世界との完成である。 不滅な仕事に没頭して居るとき、最高の悦びを感ずる。
二五
本当に愛するとは、他の中にある自己と、自己の中にある自己とが、一つになることである。愛はどんな民族をも相抱かしめる。 愛は愛を呼び起す。
三五
天下を動かさんとする者は、先ず自ら動くべし。 眠れる獅子は走る犬に如かず。
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といったぐあいの文章が、59編載っています。 古田謙二によると、北斗は病床で、この本を繰り返し読んでいたそうです。
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