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皮膚は呼吸し、酸素をとり入れています。目には見えなくとも、肺と同じように呼吸を繰り返しているのです。その証拠に、皮膚呼吸が妨げられると大きな障害を受けます。たとえば、西洋に踊り子が金粉を全身に塗って踊る、金粉ショーというものがあります。
踊り子は全身を金粉で覆われていますから、皮膚呼吸が妨げられます。20分程度なら問題はありませんが、長時間塗ったままでいると苦しくなり、悶絶して死に至ります。同じように、潜水する人で、密着したウェットスーツを長くつけている人も、皮膚呼吸ができないため弱ってきます。火傷の場合も同様です。
軽くても全身に広くやけどをすると、生命の危険にさらされます。皮膚呼吸が障害を受けるからです。皮膚の呼吸が出来ないと、毛細血管の機能も抑えられますから、身体機能が低下し、それが神経系統にも血液循環にも影響して、全身が衰弱するのです。
皮膚呼吸は、奪われてはじめてその大切さに気づきますが、その働きは肺の役割を助けるものなのです。皮膚は呼吸して酸素を取り入れると同時に、老廃物をからだの外に排出します。肺が酸素をとり入れて、炭酸ガスを排出するのと同じです。そのため皮膚呼吸が悪くなると、体内に有害な一酸化炭素が増えます。
一酸化炭素の増大こそが、ガンの根本的な原因です。それほど皮膚呼吸は健康に大きな影響を及ぼすのです。家族ぐるみのお付き合いをさせていただいていた石原莞爾平和思想研究会、前会長・西医学の渡辺正博士の病院では、ガンをはじめとする重症の患者に、皮膚を外気にさらして、皮膚呼吸を盛んにする「裸療法」を行っています。
これにより重症の患者も呼吸がラクになり、皮膚の色がさえて、つやがよくなってきます。全身で呼吸するのですから、本人も 爽快そのものです。そうして皮膚呼吸の大切さを知るといいます。普段から厚着をして、ぴったり皮膚を覆う衣類をつけている人は、気がつかないうちに皮膚呼吸が妨げられ、酸欠で一酸化炭素を増大させています。
とくに女性の、体をぴったり覆う下着やパンティストッキングは非常に不健康です。こうしたものを毎日着用していると、子宮がんや子宮筋腫などの婦人科疾患を招きやすいのです。本当は、昔の女性のように、和服で下着は何も着けずにいるのが、皮膚呼吸を盛んにし、子宮がんの予防にも有効だったのです。
現代ではそうはいかなくても、なるべく厚着は避け、空気に皮膚をさらすのが健康の秘訣です。汚れた下着をつけるのもいけません。皮膚から排泄された毒素や老廃物が再吸収されて、血液が汚れます。とくに長い間寝ている病人は、皮膚から分泌された老廃物や発散ガスが再吸収されやすいので、下着と寝具は清潔に保つことが肝要なのです。
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