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OPECプラスとは、OPEC(石油輸出国機構)加盟国だけではなくロシアやメキシコを含む産油国でつくるグループで、サウジアラビアとロシアが主導して生産量を調整しているのが実態です。
減産すれば、需要と供給の関係で石油価格は上がります。そうなればロシアにより多くのお金が入ってくるので、ロシアはより長く戦争を継続することができます。これまでアメリカとサウジアラビアは特殊な関係で結ばれていました。
アメリカがサウジアラビアから大量の石油を買い、代金として多額のドルをサウジアラビアに支払うと、サウジアラビアはそのドルでアメリカの兵器を大量に購入する。サウジアラビアが防衛をアメリカに依存することになります。
アメリカにドルが還流する仕組みになっていたのでドナルド・トランプ前大統領は「ビジネスマン」ですから、武器を買ってくれるサウジアラビアが重要です。大統領になって最初の訪問先がサウジアラビアでした。
しかしアメリカは民主党のバイデン大統領になると人権を重視して対応が変わります。民主党政権はサウジアラビアとの関係を見直し始めました。そんなアメリカの穴を埋めるようにサウジアラビアに急接近したのが中国でした。
2022年12月、中国の習近平国家主席が、2016年1月以来、約7年ぶりにサウジアラビアを訪問しました。サウジアラビア側のもてなしは、同年7月のバイデン訪問のときとは比較にならないものでした。利害が一致するのはもちろん、専制主義国家同士、通じ合うものがあるのでしょう。
サウジアラビアは国家戦略として「ビジョン2030」を掲げています。ムハンマド皇太子は石油への依存度を減らし、観光など、産業の多角化を進めたいといいます。中国マネーを取り込みたいのです。
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