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読売新聞の全国世論調査で日頃の生活で、豊かさを感じる事がある人は7割を超えている事が明らかになりました。思春期の若者の自殺者が増加しているのに大半の日本人は日常の生活の中に何らかの「豊かさ」を見いだし、それほど悲観的になっていないことがわかりました。
豊かさを感じることがある人は、計73%で、年代別では、それほど差はありませんが、男女別だと、男性が68%、女性が77%と10%の差が開きました。世帯年収別だと、1000万円以上では豊かさを感じることがある人は計89%で、年収が下がるにつれて減り、200万円未満では計58%と、経済的環境と豊かさに一定の関係が見られました。
その一方で、物と心の豊かさのどちらを重視するかでは、心の76%が物を大きく上回りました。豊かさとはどういうことかでは、「仲のよい家族や友人に恵まれる」61%、「健康で長寿をまっとうできる」59%、「生きがいのある生活を送れる」57%でベスト3でした。だが、現在の世の中は、物質的な豊かさを求める人間を増加させています。
それがエリートコースと結びつき、よい学校に入れたい親の気持ちに拍車をかけ、知的能力ばかりに拘って子供を育てる状態を引き起こしているのだと思うのです。その犠牲になっている子供がたくさんいることを知る必要があります。
思春期以後の登校拒否時や家庭内暴力・学習意欲を喪失した子供の相談は、我が国の相談施設では増加の一途をたどっているのです。歪みが表に現れないままに育った子どもは、情緒が不安定であり、自発性も芽生えないままに、学校生活を終えてしまった子供、つまり、潜在的に問題をかかえている子供の方が、心配な子供です。
社会に出て、人生の荒波に出会ったときに、適切な判断ができなかったり、ノイローゼになったり、心身症を起こしたりする可能性が大きく、豊かな人生を送ることができない場合が多いのです。さらに現代の豊かさを支えているのは大きな力はエネルギーです。便利さの追求は、エネルギーの消費を膨大にしています。
大量消費しているエネルギーの殆どが、石油、石炭、天然ガスなどの化石燃料です。その化石燃料の限界が現在問題になっています。化石燃料は、何十億年という地球の歴史の中で育まれてきたものです。我々はそれを、歴史的時間から見ればほんの一瞬で使い地球温暖化に拍車をかけています。 その豊なエネルギーで、地球の恵みを戦争によって奪い合う文明のあり方に終止符を打たなければならない時が来ました。文明の悪を浄化し地球の恵みを人類の福祉と地球の再生に向け、地球は一つという、宇宙に開かれた惑星に目覚めなければならないと思うのです。
国同士がひとつになり対話する勇気があれば、理解の門を開くことができます。戦争でしか物事の解決が出来ない人々に新たな方法を知らせなければなりません。戦争が悪と知りつつも人類には刺激を求めてしまう本能があります。
刺激に麻痺した心を解放する感動が平和運動になければ、人々はそこに魅力を見出せなくなってしまいます。心の豊かさを求めているのであろうユダヤ教・キリスト教・イスラム教をはじめ、世界のあらゆる宗教に対して、争いをやめ、絶対同士の共生を呼びかけるのです。
ホームページに掲載の西山の砂浜の、松林の一盛りの土の中、石原莞爾や同志の墓に眠る我が父のその一生は、豊かさとは何か、文明とは何か、進歩とは何か、平和とは何か、平等とは何か、人間とは何かという、根源的な問い、グローバルな観点から今日に至っているということ教えてくれました。
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