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イランは核兵器を開発しているので、世界平和のために欧米はそれを止めさせようと頑張っていると言う筋書きに見えますが、実は、過去の経緯を見るとイランは核兵器を開発していなかったといいます。
イランは、IAEA(国際原子力機関)の査察を受け入れており、IAEAの回答ではこれまでに何回も調べていますが、核兵器を開発しているという証拠は見つからないという報告書を発表しているのです。
さらにIAEAは、イランは核兵器を持つまでには10年という期間が必要だと分析しています。この10年という期間は、イランには何の核技術を持っていないことを意味していたのです。あれから10年は経過しましたがどうなのでしょうか。
ちなみに原子力発電で核の技術や物資が豊富な日本では、その気になれば数カ月で核兵器を持つと欧米が分析しています。イランが核兵器を持つという情報は、イランを攻撃するために故意に流されているとしか思えないのです。
アメリカがイランを「悪の枢軸」の仲間入りさせた時から、イランは核開発の疑いをかけられています。欧米と仲が悪いイランは、疑いを晴らす為にIAEAの要求に応じて査察を受けいれていたのです。その査察の中で、イランのナタンズという場所にあるウラン濃縮施設から、痕跡が見つかっています。
遠心分離器を使うウランの濃縮は、原子力発電の燃料を作る際に必要であると同時に核爆弾を作る際にも必要な工程です。発電燃料を作る場合には、それほどの高濃度にはしない。実際5%以下だったのですが、爆弾を作るには、90%以上にまで濃縮する必要があると言います。
イラン政府は高濃度のものを作ったことはないと言い、その主張が正しい事がIAEAの査察で分かったのですが、欧米はイラン政府の説明に納得せず、米国は「イランの核施設を空爆することも辞さない」と言い続けているのです。
EUにとってイランは重要な貿易相手国だったので、イギリス・フランス・ドイツの3カ国は、外交で解決しようとしています。だが、アメリカはそれを許さないのです。EUがアメリカを批判すれば、戦争する覚悟を持たねばならないでしょう。
EUの軍事予算はアメリカの3分の1です。経済的にもアメリカを頼っているEUがアメリカを本気で批判することはありえないのです。だが、EUが何もせずにいれば、アメリカはイラクと同じようにイランにも侵攻するでしょう。
EUの分析でもアメリカはイラク侵攻で懲りたのでイランには侵攻しないだろうという常識的発想はないと感じているのです。結局EUは、イランの主張する正論を認めないで、アメリカの意に添いイランに圧力をかけるしかないのです。
EUは、自国の生存のために、正義の心を捨てたのです。EUはイラク侵攻の時にも、正義の心を捨てています。大量破壊兵器などどこにもなかったのに所持していると言い続けて、イラクに侵攻しました。イラク侵攻前のEU諸国では「イラクは大量破壊兵器を持っていない」という指摘がありました。
この点では、日本はもっと酷い米国がどんなに悪い事をしても、米国の味方をするのが国益だという立場をとりました。IAEAは、イランの主張が正しいと言い続け、これを認めない欧米側を批判する言動をとっているのですが、この言葉は欧米マスコミや日本のマスコミはコロナワクチンと同じようにほとんど報じていないのです。
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