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  工夫が必要な夕食  仲條拓躬2025/09/08(月) 17:03 
  時間栄養学的な視点では  仲條拓躬2025/09/08(月) 17:01 
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  ハンセン病の世界の実態  仲條拓躬2025/08/28(木) 16:43 
  宇宙の膨張はゾッとする未来  仲條拓躬2025/08/26(火) 07:47 
  運動しない人のリスクとは  仲條拓躬2025/08/26(火) 07:43 






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工夫が必要な夕食
   投稿者: 仲條拓躬    
2025/09/08(月) 17:03
No. 7983
 
 
時間栄養学的な視点で夕食の特徴をあげると、夕食はインスリン抵抗性があり、高血糖になりやすい。夕食後から寝る前までに2〜3時間の十分な時間を空けないと、摂取したエネルギー消費が起こらず肥満の要因になっていく。

一般的に習慣として、夕食は3食中で一番たくさんのエネルギーを摂取しやすく、タンパク質も偏って多く摂取しやすい。夜遅い食事は夜型を助長するが、インスリンの作用が関係している。

以上のような特徴を考えると、夕食では高血糖を起こしにくい調理法が良いということになります。ごはんを白米だけで食べるということはあまりないと思いますが、単独で食べるよりは、玄米や大麦などが入ったものにする、炊き込みご飯にする、あるいはカレーライスとしてなど、血糖値を上げにくいものを混ぜて食べる方が良いと考えられています。

また、高カロリー食になるのを防ぐ方が健康には好ましく、そのためにたとえば同じ豚肉でもトンカツではなく、豚肉の冷しゃぶサラダにするなど、カロリーを下げることが必要です。カロリーを抑えてもボリューム感が出る工夫として、スープや豚汁のようなものはおすすめです。

また、主菜や副菜などは取り皿に取り分ける、ビュッフェ形式のようなことはやめて、1人前の盛り付け調理にして、食べる量が見えるようにする方が、摂りすぎを防ぐためにはいいでしょう。ただ、サラダ類やスープ類、根菜の煮物などは栄養学的にはたくさん摂りたいものも多いので、そういうものはお代わり自由にしてもいいかもしれません。

そういった食行動への心理的な工夫も、時間栄養学を考えると、取り入れていった方が良いと思います。鶏の唐揚げなどを夕食に余分に作ってしまったら、余分は出さずに翌朝の朝食に回すと、夕食時には摂り過ぎにならず、朝食時のタンパク質摂取不足の解消にもなります。

夕食がどうしても遅くなる人には、1日4〜6回に分けて少量ずつ摂る分食をすすめていますが、特に夜遅い時間帯に食べる食事には食材や調理の工夫が必要です。米やパン、麺など主食は早い時間に済ませておいて、遅い時間帯は低糖質な食材を使った主菜や副菜を中心に食べるのが良いと考えられます。

また、消化管運動に時間がかからないものを選ぶようにするべきなのですが、たとえばビーフステーキよりはハンバーグ(かたまりより細かくなったもの)、生よりは加熱処理をしたものなどが消化しやすく、消化時間を低減できます。

また、味付けの点からは、香辛料が強い食事は覚醒度が上がり、夜遅い食事の場合は睡眠に不利に働くので注意が必要です。食後のデザートも夕食、特に遅い夕食時は注意する必要があります。生クリームたっぷりのアイスクリームよりは低カロリー系のアイスクリームが良いでしょう。

豆乳や低カロリーの甘味料を使うなど、低カロリーでもおいしい商品も出ています。私は以前、夕食後のデザートでハーゲンダッツを食べていました。すると体重がみるみる増加しました。やはり夕食後のデザートや夜食は、非常に注意して摂食すべきかと思われます。

カルシウム不足といわれる日本人の食生活ですが、時間栄養学的には夜の方が朝よりカルシウムの吸収率が良いと考えられています。そのため、夕食時のカルシウム摂取が有効になるように、調理上の工夫をすると良いと思います。

牛乳、チーズ、ヨーグルトなどは腸からの吸収率は50%程度ですが、小魚、海藻類、大豆製品では20%程度と低くなっています。調理法によって、これらの小魚や海藻類の吸収率を上げることができます。

酢に含まれていることが多いクエン酸やリンゴ酸などの有機酸は、カルシウムの吸収を助けるので、魚の南蛮漬けや、小魚と海藻の酢の物などに調理したもので摂取した方が良いと考えられます。カルシウムの吸収にはビタミンDが欠かせません。干し椎茸以外にもビタミンDが強化された牛乳や卵なども市販されていますので上手に使うと良いでしょう。

ところで、ゴボウなどの水溶性食物繊維は、朝の摂取で便通を良くしたり、高血糖を抑えられたりします。調理としては、良質のタンパク質が含まれているイワシなどを組み込んで、イワシとゴボウの煮物や、煮干し入りキンピラなどにして、朝に摂ることもおすすめです。

 





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時間栄養学的な視点では
   投稿者: 仲條拓躬    
2025/09/08(月) 17:01
No. 7982
 
 
調理方法によってカロリーや栄養成分も違ってきます。普段の生活で大体わかっていることではあります。大きく分けて7種類、焼く、茹でる、煮る、炒める、揚げる、蒸す、そして和えるという調理法です。

焼く調理法は、基本は火が直接食材に触れる調理法ですが、多くはフライパンやグリル・オーブンなどで間接的に火を当てて、かなり高温で調理します。特に肉類では、焼くことにより油分を落とすのでカロリーは低くなるということでは、夕食の調理に向いているといえそうです。一方、栄養成分が高熱で分解されてしまうものは、栄養学的にはあまり好ましくないといいます。

茹でる調理法は、食材を湯の中で加熱する方法で、後述の煮物と比較すると、単に湯の中で加熱することが茹でることの特徴です。茹でる調理法の利点は、素材の良さを最大限に出す工夫ができる点でしょう。しかしながら、茹でることによって壊れた組織からは、水溶性の成分(糖、苦味、水溶性食物繊維、水溶性ビタミン)などが出ていってしまいます。

そこで、そういった成分も摂るために、茹で汁を使うという手もあります。朝食に摂る水溶性食物繊維が腸内細菌の餌として良い働きをするので、ぜひ茹で汁ごと食べるような料理を工夫したいところです。ただ、食材によっては、たとえば茹でゴボウより、次に出てくる煮物や、炒めるキンピラゴボウなどにする方が、食物繊維も一緒に摂りやすい調理法といえます。

煮る調理法は、水やだし汁に食材を入れて加熱し、加熱した食材とともに煮だし汁も使う調理法で、日本料理などでは煮物として最もポピュラーなものです。煮込みや煮つけなど、細かい調理法の違いはありますが、時間栄養学的な視点では、朝、昼、夕食のいずれでも、摂取時間による体への影響に特徴はない調理法だといえます。

炒める調理法は、一般的には少量の油を使って野菜や肉を混ぜながら加熱する料理です。高温で短時間の油加熱ということになるので、油を使うことにより、たとえば脂溶性のビタミンAを摂取しやすくなります。また、茹でる、煮るなど比較的時間をかける調理法に比べると熱に弱く、水溶性の栄養素、たとえばビタミンCも失われにくく、摂取しやすくなるというメリットがあります。

揚げる調理法は、揚げ物とは、高温の多量の油の中で食材を加熱調理することをいいます。「煮る」や「茹でる」と異なり、調理温度は150度から200度近くになります。高温の油に入れるので、表面ではタンパク質の固化という現象がおこり、食したときにサクサク感が残りますが、食材の内部は水分が保たれ柔らかさや風味などが残っています。

グラム当たりのカロリーが高い油で調理するので、どうしても高カロリーの調理法になってしまいます。素揚げや衣をつけない空揚げのような調理方法と比較して、衣をつける唐揚げや天ぷらなどは衣と油の両方のカロリーが加算され、特に天ぷらは高カロリーになるので、時間栄養学的な視点でいえば、夕食の調理には向かないということになります。

蒸す調理法は、蒸気を使って加熱する料理で、茹で料理のように水溶性の栄養素が溶け出すことはなく、また炒め料理のように油を使用することはなく低カロリーとなるので、ヘルシーな調理法といえます。また、100度以上に加熱されないため栄養素の損失が少なく、形も崩さないので素材を生かした調理法でもあります。

欠点としては、調理中に味付がしにくいので、下味を付けたり、タレやソース類で味付けをして食べる工夫がいることです。蒸し器ではなく、スチームオーブンレンジを使ったり、電子レンジで食材の水分で蒸し状態にしたりする工夫もあり、手軽に蒸し料理ができます。時間栄養学的な視点では、遅い夕食や、夜食を摂る必要があるときには、利用したい調理法だといいます。

和える調理法は、下処理をした食材(和え種)を和え衣(酢味噌やドレッシング、ゴマ醤油)とともに和える(混ぜる)処理をする料理法です。日本料理の副菜に相当するものに多く見られます。和え種になる食材はあらかじめ、刻む、茹でる、煮る、炒めるなどの処理をしたものを使います。

食事バランスの観点から、パンやご飯といった主食だけを摂るより、主菜、副菜を摂ることが必要ですが、時間栄養学的な視点では、たとえば朝食に主食だけですませる忙しい人にも、ぜひ一緒に摂るようにすすめたいのがこの和え物の副菜なのです。

このように朝忙しい人の場合でも、前日から和え種の食材を用意しておけば、朝食時の副菜として和え衣で和えるだけなので摂りやすくなるのではないでしょうか。豆腐の白和えや、おからを使った卯の花和えなどは食物繊維もタンパク質も摂取でき、おすすめです。

 





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中東の混迷の原因は「三枚舌」
   投稿者: 仲條拓躬    
2025/09/01(月) 15:32
No. 7981
 
 
第1次世界大戦は「3カ国 対 3カ国」の構図で始まります。両陣営を工業生産力で比べてみると、中央同盟国のドイツ、オーストリア=ハンガリー帝国と英仏ロシアの連合国3カ国の工業生産力は、かなり拮抗しています。

中央同盟国にオスマン朝が加わることも考えれば、ほぼ互角といっていいでしょう。しかし、この2つの陣営とほぼ同じか、それを大きく上回る工業生産力を、アメリカ1カ国が持っていました。まとめれば、ドイツ組: 大英帝国組:アメリカ=1:1:1強の3強です。

実際に戦ってみるとドイツが強く、東のロシアをタンネンベルクの戦いで勝利します。次にドイツは、西のフランスを倒そうとしますが、フランスは意外にしぶとく、西部戦線は膠着するのです。西部戦線が膠着すると、大英帝国がひらめきました。

「ドイツは強い。だったら、中央同盟国のなかで一番弱い国からやっつけよう」ということで、オスマン朝に狙いを定めます。英仏は、イスタンブールの占領を目指して、ガリポリの戦いを仕掛けます。

ところが、オスマン朝にはムスタファ・ケマルという若い英雄がいて、全然勝てません。ムスタファ・ケマルは、のちのケマル・アタテュルクです。目算が狂った大英帝国は焦ります。

そしてアラブの指導者フサインに「フサイン=マクマホン往復書簡」と呼ばれる手紙を出します。「アラビア半島で、オスマン朝に反乱を起こしてくれ。そうしたらアラブの国をつくってあげよう。パレスチナへの居住も認めよう」と。

このとき、アラブ側に立って活躍したのがアラビアのロレンスです。大英帝国の「三枚舌」 外交が、中東に禍根を残すのです。ドイツに苦しめられた大英帝国は、「三枚舌」外交に出ました。ユダヤ人の大富豪ロスチャイルドには「戦争はお金の勝負です。

だから、お金を出してください。そうしたら、パレスチナにユダヤ人の国をつくってあげます」と約束しました。「バルフォア宣言」です。しかし、その一方で、フランスには「戦争が終わったらシリアをあげる」「パレスチナは国際管理地にしよう」と約束していました。

「サイクス・ピコ協定」です。そして大英帝国は、アラブの人たちとも、往復書簡で「フサイン=マクマホン協定」を結んでいました。この協定に従って、アラビアのロレンスは、アラブ人と一緒にシリアのダマスカスに入りました。

同じ土地を三者にあげると約束したわけですから、三枚舌です。学者のなかに、アラビア半島やパレスチナ、シリアの地図を精緻に読み込んだら、「この三枚舌は成立する」という人もいるのですが、どう考えてもおかしいです。

第1次世界大戦の終結後、フランスはサイクス・ピコ協定に従って、シリアを手に入れます。シリアに入っていたアラブ人は、突然「ここはフランスのものだ」といわれて激怒します。激怒したアラブ人をなだめるため、大英帝国は「では、イラクにアラブ人の国をつくってあげる」といいました。

第1次大戦後、大英帝国はイラクとパレスチナを手に入れていました。イラクが建国されて、フサインの子どものファイサルがイラク国王になります。イラクの人たちにしてみれば、びっくりです。今日の中東の混迷の原因のほとんどは、大英帝国の「三枚舌」にあると考えていいです。 苦し紛れに、みんなにいい顔をしたからでしょう。

 





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第1次世界大戦を招いた要因
   投稿者: 仲條拓躬    
2025/09/01(月) 15:31
No. 7980
 
 
1914年6月、オーストリアのフランツ・フェルディナント大公夫妻が、バルカン半島のサラエヴォでセルビア人の民族主義者に暗殺されます。第1次世界大戦の引き金になったサラエヴォ事件です。しかし、不思議な話です。

バルカン半島は当時、民族紛争で大荒れでした。そんなところになぜ、皇位継承者のフランツ・フェルディナント大公がわざわざ出向いたのでしょう。それは、オーストリア皇帝のフランツ・ヨーゼフ1世が賢くなかったからです。

ハプスブルク家は賢帝が出ない不思議な家系ですが、この人はまた、とんでもない頑固者でした。あまりの頑固さに息の詰まった妻が、放浪の旅に出てしまったくらいです。妻が放浪の旅をしている間に、2人の子どもの皇太子が、若い女性と心中してしまいました。

そこで甥にあたるフランツ・フェルディナント大公を皇位継承者にしました。フランツ・フェルディナント大公は、ボヘミア生まれの下級貴族のお嬢さんと恋をして、幸せな家庭を築こうとしていました。

フランツ・ヨーゼフ1世は頑迷そのものですから、下級貴族の妻を許しません。結婚は認めるが、子どもに皇位継承権は与えないし、ウィーンの宮廷で2人が並んで座ることも許さない、というのです。

そんな2人も、地方に出かければ、並んで座れて、拍手喝采で迎えられます。だからフランツ・フェルディナント大公は地方に頻繁に出かけ、そこで凶弾に倒れたわけです。ともあれ、皇位継承者がセルビア人に殺されたとあって、オーストリアは激怒します。

しかし、それならオーストリアとセルビアの戦争になるはずです。それがなぜ、第1次世界大戦に発展したのでしょうか。望まない戦争に引きずり込まれた、列強の愚かさがそこにあります。暗殺事件の1ヵ月後、オーストリアはセルビアに宣戦布告します。

ドイツもロシアもフランスも本来、これに何の関係もありません。ただし、ロシアはセルビアの後ろ盾になっていましたし、ドイツはオーストリアと同盟を結んでいます。ロシアは兵士に動員をかけます。戦争の準備くらいして見せなければ、格好がつきません。

ロシア皇帝のニコライ2世は、総動員を望んでいませんでした。総動員したら、ドイツを刺激してしまいます。ところが参謀の大臣たちは 「部分動員は技術的に難しい」などと主張して食い下がります。

すったもんだの末に疲れ果てた皇帝は、「しかたない」と、総動員を認めてしまいました。ドイツ皇帝のヴィルヘルム2世もあまり賢くありませんでした。戦争をする気なんてなかったのに、ロシアが総動員したと聞いて「では、こちらも」と動員をかけます。

露仏同盟を結んでいるフランスも、「ロシアがやるなら、こちらも」と動員します。こうして悲惨な戦争が始まりました。愚かです。『夢遊病者たち、第一次世界大戦はいかにして始まったか』(クリストファー・クラーク著、小原淳訳 / みすず書房)という名著があります。

誰も望んでいない戦争にずるずると引き込まれていく第1次世界大戦前夜の様子が、見事に描かれています。ドイツ組と大英帝国組、アメリカの国力は「1:1:1強」です。第1次世界大戦の構図を確認します。もともと三国同盟がありました。

19世紀に、ドイツとオーストリア、イタリアが結んだ同盟です。しかし、オーストリアと領土問題を抱えていたイタリアは、第1次世界大戦では当初、中立を守ります。ドイツ側には、3B 政策で深く結びついていたオスマン朝 (トルコ) がつきました。

このドイツとオーストリア、オスマン朝の陣営を、現在では中央同盟国と呼びます。いわば「ドイツ組」です。この「ドイツ組」に対峙したのが、露仏同盟を結んでいたロシアとフランス、そしてドイツと覇権を争う大英帝国です。

こちらは「大英帝国組」と考えればわかりやすいでしょう。第1次世界大戦はまず、このような「3カ国 対 3カ国」の構図で始まったわけです。戦場はヨーロッパです。第1次世界大戦は総力戦でした。

軍事力だけでなく、国全体の経済力、生産力で戦う戦争ということです。そこで両陣営を工業生産力で比べてみると、中央同盟国のドイツ、オーストリア=ハンガリー帝国と英仏ロシアの連合国3カ国の工業生産力は、かなり拮抗しています。

中央同盟国にオスマン朝が加わることも考えれば、ほぼ互角といっていいでしょう。しかし、この2つの陣営とほぼ同じか、それを大きく上回る工業生産力を、アメリカ1カ国が持っていました。

かなり大雑把にまとめれば、当時の列強の国力は、次のような数式で表せるでしょう。ドイツ組: 大英帝国組:アメリカ=1:1:1強の3強です。実際に戦ってみるとドイツが強く、 まず、東のロシアをタンネンベルクの戦いでこてんぱんにやっつけます。次にドイツは、西のフランスを倒そうとしますが、フランスは意外にしぶとく、西部戦線は膠着するのです。

 





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新幹線の切符購入について
   投稿者: 仲條拓躬    
2025/08/29(金) 17:15
No. 7979
 
 
新幹線の列車を利用するには、乗車券のほかに特急券が必要となります。特急券は大きく分けると、座席を事前に定めた指定席特急券と自由席車であれば好きな座席に座ってよい自由席特急券との2種類です。グリーン車、普通車それぞれの指定席はJR各社共通の大型コンピュータで管理されています。

なにしろ東海道新幹線の「のぞみ」 1列車だけで指定席の数は1073席もあります。平日に毎日運転される本数だけで164本(2020年3月14日時点) もあり、しかも途中の駅で旅客が入れ替わって同じ座席に座るケースも多いので、指定席の管理は複雑です。

こうした要求に応えるため、鉄道情報システム株式会社 (通称: JRシステム)というJRグループの企業はマルス (MARS:Magnetic electronic Automatic seat Reservation System)501という大型コンピュータを用意し、新幹線はもちろん、在来線の分も含めた指定席を管理しているのです。

マルス505の能力は極めて高く、多いときで1日に1000万回ほどもある座席の照会にもびくともしないといいます。2種類の端末「MR形」「MV形」とは?指定席特急券の発行には、マルス505にアクセス可能な端末と呼ばれる小型コンピュータを操作します。

駅や旅行会社の窓口に置かれ、顧客の要望に応じて駅員や係員が指定席特急券を発行し、販売する端末をMR形といいます。モニタの画面をタッチして希望の列車や座席の種類を選ぶことができ、端末とセットとなったプリンタで指定席特急券が印字されます。2016(平成28)年3月31日時点で2977基が稼働中です。

一方、顧客が自ら操作して指定席特急券を発行可能な端末も存在します。こちらはMV形と呼ばれ、一般には指定席券売機といいます。通常の自動券売機と一緒に置かれていることが多く、プラットホーム上やコンコースに単独で置かれているものも見受けられます。

やはりタッチパネル式となっており、画面や音声の案内に従っていけば指定席特急券が発行される仕組みですが、慣れている人でも手間を要するのが難点かもしれません。なお、画面や音声の案内は、日本語と英語との2カ国語から選ぶことができ、一部は中国語や韓国語にも対応したものもあります。

MV形は2016年3月31日時点で2183基が稼働中です。今日、新幹線をはじめとするJR各社の指定席特急券は、わざわざ駅や旅行会社に赴かなくても、インターネットを利用してパソコンやスマートフォンで購入できます。

JRシステムは「JRサイバーステーション」というインターネットプロバイダー事業を展開しており、会員になると指定席特急券の予約が可能です。しかし、インターネットで申し込んだ指定席特急券は乗車当日には購入できないので、やや使いづらいです。

新幹線の営業を行っているJR北海道・JR東日本・JR東海・JR西日本・JR九州の5社は、独自のインターネット座席予約サービスを用意しています。サービスの名称はJR北海道とJR東日本とが「えきねっと」、JR東海が「エクスプレス予約」、JR西日本が「e5489」、 JR九州が「インターネット列車予約サービス」です。

これらは皆、予約した指定席特急券を決められた期日までにクレジットカードなどで支払いを済ませておけば、各社の駅の窓口や指定席券売機できっぷを受け取れ、スムーズに旅立つことができるのです。インターネット座席予約サービスを利用すると、駅の窓口や指定席券売機に寄るのが面倒に思えてくるでしょう。

そこでJR東海は「エクスプレス予約専用ICカード」を用意しています。このカードを利用して予約を済ませておけば、東海道新幹線はもちろん、山陽新幹線でも指定席特急券や乗車券を発券する必要はないのです。具体的には、自動改札機でICカードをタッチするだけで乗車できるのです。これからはラインで切符が購入できるようになります。

 





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100年に一度の革命
   投稿者: 仲條拓躬    
2025/08/28(木) 16:57
No. 7978
 
 
EVを手掛けるのはテスラだけではありません。EV自体は1990年代から登場しているし、テスラのロードスターから2年後の2010年には日産が大衆向けEV「リーフ」を300万円台で投入しています。しかし、テスラの躍進も含め、EVがようやく普及モードの一歩目を歩み始めたのは2015年ごろのことでした。

一つのきっかけとなったのは、やはりパリ協定です。世界の温室効果ガスの排出量のうち、自動車など交通部門が占める割合は、調査によって異なるものの、大体約2割に上る。特に米国では2%を占め、エネルギーを超える一大排出部門となっているのです。

この交通部門には、自動車だけではなく航空機から船舶までが含まれますが、航空機も船舶も巨大かつ航続距離も長いため、いきなり電動化を進めるのはかなりの困難を伴います。その点、自動車では、まだ主流にはなっていなかったとはいえ、すでに複数のEVが市場に投入されていたこともあり、ここでEVシフトの礎が築かれつつあったのです。

実際、パリ協定の直前には「電気自動車と気候変動に関するパリ宣言」が採択され、2030年までに地上交通機関の少なくとも20%を電気自動車にすることなどが謳われました。もう一つ、このEVシフトへの引き金となったのが、「ディーゼルゲート」と呼ばれる事件です。

これはパリ協定締結に先立つ2015年9月に発覚した不正であり、特に欧州の自動車業界を根底から揺さぶることになりました。具体的には、自動車大手の独フォルクスワーゲンが「環境に優しいディーゼル」として売り出していた車が、環境規制をくぐり抜けることを目的に不正ソフトを組み込みこんでいたのです。

検査時だけ大気汚染物質のNOx(窒素酸化物)の排出を減らす装置を働かせていたことがわかったのです。ディーゼル車が道路を走っている間はこの装置は作動しないため、実際は、検査時よりも最大で4倍も多くのNOxを撒き散らしていたことが分かったのです。

何より、フォルクスワーゲンといえば当時年間販売台数1000万台近くを誇り、トヨタに次ぐ世界2位のメーカーだっただけに衝撃は大きかった。さらには、高級車ベンツで知られるドイツの自動車大手ダイムラー(現メルセデス・ベンツ)でも同様の不正が2017年5月に発覚しました。

一般的に信じられていた「ディーゼル車は環境に優しい」というイメージが大きく崩れることになったのです。これらの事件が自動車大国のドイツ、さらには欧州全体がEVへと傾倒していくきっかけとなるのです。

その一つの象徴となったのがフォルクスワーゲンの不正から1年後の2016年、ダイムラーの会長ディーター・ツェッチェが打ち出した「CASE」と呼ばれる中長期戦略でした。これは、次世代の自動車の競争力を左右する4つの技術の頭文字をとったものです。

Connected: インターネットへの接続を通した安全やエンタメの強化。
Autonomous:ソフトウェアが自律的に運転する「自動運転」。
Shared & Services: カーシェアリングなど、所有から「シェア」への移行。
Electric: 「電気自動車」を始めとする電動化。

ツェッチェは、CASE戦略のお披露目の場となったパリのモーターショーでCASEは、メルセデス・ベンツの未来を形作るものです。これらを体系的に進化させ、インテリジェントに組み合わせていきます。

現在すでに、ベンツは4つの分野で主導的な役割を果たしていますが、これらを一つの包括的な戦略にまとめることで、未来のモビリティにおいて支配的な役割を果たすという主張を明確にしていますと力強く宣言しました 。これ以降、日本を含む自動車業界ではCASEが合言葉として定着し始め、「100年に一度の変革」などと評されているのです。

 





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コロンブスが持ち込んだ病気
   投稿者: 仲條拓躬    
2025/08/28(木) 16:55
No. 7977
 
 
1492年、クリストファー・コロンブスが新世界に足を踏み入れた時に、新大陸にいくつもの恐ろしい病気が持ち込まれたと考えられていて、中でも特に危険なものの一つが麻疹(はしか)でした。麻疹が猛威を振るったのは、新大陸の先住民はそれまで麻疹ウイルスに出合ったことがなく、まったく免疫を持たなかったためだというのが通説です。

だが、これを否定する歴史学者もいます。コロンブスが大きな変化をもたらしたのは確かですが、当時の探検家や入植者、交易商人たちが世界中のあちこちで現地にはなかった病気を持ち込むことは珍しくなかったのです。

さらに、 彼らは他の地域に病原菌を持ち込むだけでなく、旅先から故国に未知の病気を持ち帰ることもありました。16世紀にスペイン人がカリブ海地域、メキシコ、中米に麻疹と天然痘を持ち込んだのです。

この2つの病気は中米とペルーで大流行し、中南米の征服を企んだコンキスタドール(中南米の征服・植民地経営を行ったスペイン人)がごく少人数でアステカ帝国やインカ帝国を制圧できたのはこれらの伝染病が一因だったという説もあります。

麻疹はヒトとサルの仲間にしか感染しません。感染経路は、一般的に接触感染と空気感染とされています。麻疹ウイルス (MeV) は呼吸器から体内に入り込み、全身に広がります。感染力は強く、数千年の間に何百万人もの人間がこの病気で命を落としているのです。

新大陸の例からもわかるように、それまで麻疹がなかった土地に持ち込まれると非常に多くの感染者が出ます。すでに免疫を持つ人が多い場所であれば死亡率は5000人に1人程度でしかないのです。しかし、1歳未満の乳児や栄養状態が悪かったり免疫系に問題があったりする子供の場合、死亡リスクはきわめて高くなります。

20世紀に西アフリカで行われた研究では、人口過密も問題を深刻化させることを指摘しています。こう考えると貧困層で子供の死亡率が高い理由を説明できます。人口過密地域で暮らしているとウイルスとの接触機会が多く、体内に入るウイルスの絶対量が増えるため、病気が悪化しやすいのでしょう。

さらに、そのような人々は同時に結核などの慢性感染症のリスクにもさらされていることが多く、麻疹などの急性疾患に対する抵抗力が弱っている可能性も考えられます。麻疹ウイルスは、人間が集団生活を始め、家畜を飼うようになった紀元前から中東で定着したと考えられています。

犬ジステンパーや牛疫 (かつては牛の群れを全滅させるほどの猛威を振るったのですが、2011年に根絶された)を起こすウイルスご近縁にあるため、どこかの時点で種の壁を越えて動物から人間に感染した可能性があるというのです。

 





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ハンセン病の世界の実態
   投稿者: 仲條拓躬    
2025/08/28(木) 16:43
No. 7976
 
 
2005年にハンセン病の病原体である「らい菌」の起源をたどる調査が行われました。その結果、ハンセン病は東アフリカか中近東で最初に発生し、入植者や探検家、交易商人などによって西アフリカや南北アメリカ大陸に持ち込まれたと結論付けられました。

18世紀にはびこっていた奴隷貿易によって西アフリカからカリブ海地域やブラジルに病気が持ち込まれ、おそらくはそこから南米の他の地域に広がったのだろうと報告書では述べられています。18世紀から19世紀にかけては米国中西部でハンセン病が多発しており、スカンジナビア半島からの入植者たちがやってきた時期と一致します。

当時はノルウェーでハンセン病が大流行していました。米国ルイジアナ州の野生アルマジロは生まれながらにしてらい菌を保菌しています。調査の結果、アルマジロが持っている菌はヨーロッパ北アフリカ株であることがわかりました。つまり、ここのアルマジロたちは人間が大陸の外から持ち込んだらい菌に感染していたと考えられています。

逆にアルマジロが人間にハンセン病を感染させた可能性もあるのですが、その可能性はきわめて低いようです。同じ2005年の調査で、研究者たちは人間の体から見つかったらい菌が古生物に起源を持つ可能性を否定できないとしたのですが、虫に刺されることによって感染した可能性もあるという含みを持たせました。

2009年にはさらなる証拠が見つかりました。エルサレムの旧市街に近い場所に埋葬されていた紀元1〜50年頃の遺体を調べた結果、この人物がハンセン病にかかっていたことがわかったのです。同年、別のチームからインドで発見された紀元前2000年頃の中年男性の骨を鑑定したところ、ハンセン病にかかっていたことが判明したとする報告が出されました。

らい菌がアフリカで進化したのなら、文明が発達したインダス川流域 (アフガニスタン北東部、パキスタン、インド北西部)、メソポタミア (チグリス川とユーフラテス川流域の西アジアの一部)、 エジプトの間で頻繁な交流があった紀元前2000〜3000年頃にインドに伝わったのではないかというのが彼らの意見でした。

19世紀には、ハワイ諸島の島の一つ、遠く人里離れた場所に隔離集落ができました。はっきりした記録は残っていないのですが、1860年代から1960年代にかけて少なくとも8000人の患者が強制的にここに連れてこられたようです。そのほとんごはハワイの先住民でした。

2015年の時点で、当時そこで暮らした73歳から92歳の患者が16人生存しており、6人が現在もその島で生活しています。効果的な治療法が確立されてから20年以上たった1969年に隔離法は廃止されましたが、長く暮らしたこの隔絶の地を離れるにしのびず、 一部の住民はここに残ることを選びました。

かつてハンセン病は強い伝染性を持つ病気だと考えられていましたが、実際には長年にわたって治療されない状態で放置されたハンセン病患者と長期間濃厚な接触を続けない限り、感染することは殆どないのでした。しかし、ハンセン病の感染経路は未解明のままです。

最初のうちは患者への直接接触により感染すると思われていましたが、現在では患者の咳やくしゃみなどに含まれる飛沫を大量に吸い込むことで感染するのではないかという説が主流となっている2000年に世界保健機関(WHO) は公衆衛生上の問題としてのハンセン病は制圧されたと宣言しました。

世界の人口の95%以上は免疫を持つようになっているため、現在、成人がハンセン病にかかるリスクはきわめて低いです。ハンセン病を予防するワクチンはないのですが、今では簡単に治療できる病気になったのです。早期に治療を開始すれば後遺症が残る心配もないです。そのため、リスクの高い地域では病気の早期発見が重要になります。

しかし、世界の一部地域でハンセン病はいまだに風土病となっているのです。2017年には全世界で約25万人がハンセン病と診断され、200万人が後遺症に苦しんでいます。 2011〜15年の間に新たに発症した患者の大多数 (94%) をわずか14カ国が占めています。

内訳はインドやバングラデシュなどアジアが7カ国、コンゴ民主共和国やエチオピア、マダガスカルなどアフリカが6カ国、それに南米のブラジルです。どの国でも1年間で新たに報告される患者数は1000人を超えています。 一方、米国のハンセン病年間新規患者数は150〜250人前後にとどまっています。

WHOはハンセン病のない世界を目指した戦略を展開し、2020年までに子供の新規感染ゼロを目標に掲げています。 2016年に新たにハンセン病と診断された患者数は21万6108人、そのうち1万8472人(9%弱) を子供が占め、中には後遺症が懸念されるケースもあります。

WHOはこの病気の排除に取り組むと同時に、ハンセン病に対する偏見をなくすことにも努めています。厳しい社会の壁に直面する大人たち、いじめられ、教育を受けることすらままならない子供たちがいます。

例えば、インドではハンセン病が正当な離婚理由として認められており、同様にハンセン病患者に差別的な法律が16項目にわたって定められているのです。20世紀に入ってからも、かなり後になるまで途上国の多くの地域ではハンセン病患者を隔離することが推奨され、地域によっては強制的な隔離が横行していました。

このような偏見のせいで患者が受診や治療をためらい、ハンセン病の根絶が妨げられています。特に移民、ホームレス、 医療サービスの利用が難しい最貧困層などの弱者はその傾向が顕著となっているのです。

 





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宇宙の膨張はゾッとする未来
   投稿者: 仲條拓躬    
2025/08/26(火) 07:47
No. 7975
 
 
アンドロメダ銀河と天の川銀河の衝突合体(ミルクドロメダ銀河の誕生)が太陽系に直接の影響を及ぼす可能性は低いといいます。しかし、宇宙全体の収縮が始まれば、それとはまったく違う話になります。最初は、ほとんど同様に見えるかもしれません。

銀河同士が衝突して構造が変化し、新しい恒星とブラックホールが誕生し、恒星系のなかには銀河の外に放り出されるものもあるでしょう。しかし、やがて、何かまったく異なることが起こっていることが次第に明らかになり、ゾッとするに違いないでしょう。

銀河と銀河の距離がますます縮まり、合体がより頻繁に起こるようになると、天空一面の銀河たちは新たに生まれた恒星の青い光で満ちあふれ、粒子と放射の巨大噴流が銀河間ガスを引き裂くでしょう。

これらの新しい恒星とともに新たな惑星が生まれる可能性もあるし、そのうちのいくつかは、生物が生まれるのに十分に長い時間存続するかもしれない。とはいえ、この収縮し続けるカオス的な宇宙では、恐ろしいほど頻繁に超新星爆発が起こっており、その放射に曝されて、新しい惑星にいたかもしれない生物はきれいさっぱり死滅させられるでしょう。

銀河同士、銀河の中心にある超大質量ブラックホール同士の重力相互作用は激しくなる一方で、恒星たちは元いた銀河から投げ出され、他の銀河に取り込まれるでしょう。しかし、この時点においてさえ恒星と恒星の衝突は稀で、収縮の終盤になるまでそれはほとんど起こらないと考えられています。

恒星の破壊は別のプロセスで起こるのですが、このプロセスも、惑星上の生物を徹底的に破壊し尽くす。まだ持ち堪えている生物が惑星上にいたとしても。そのプロセスとはこうです。現在進行している宇宙の膨張は、遠方の銀河からの光を引き伸ばし、赤方偏移させているだけではないのです。ビッグバンの残光も引き伸ばし、薄めているのです。

ビッグバンの最も有力な証拠の一つは、十分遠方を見るだけで、それを実際に見ることができるという事実です。具体的にいえば、生まれてまもない宇宙で生み出された光が、かすかな残光にまで薄まったものが、あらゆる方向から来るのが見えるのです。

そのかすかな光は、実のところ、宇宙のものすごい遠方の姿が直接見えているのにほかならないのです。そこは非常に遠いので、我々から見れば、まだビッグバンの状態にあるのす。宇宙が始まった初期の高温状態、宇宙全体がまるで恒星の内部のように、プラズマが渦巻く高温・高密度で不透明になっている状態が、そこでは経験されているのです。

実際には138億年前に起こり、とっくに燃え尽きているのですが、その光は今に至るまでずっと進み続けているのです。そのうち、ある十分に遠い領域からやってきた光が、ちょうど今、我々に届いているのです。

我々が今これを、全天に広まった低エネルギーの背景放射(宇宙マイクロ波背景放射)として経験しているのは、宇宙の膨張が光子同士を引き離し、かすかな雑音に過ぎなくなるまで広げてしまったからです。

そして、それがマイクロ波として現れているのは、極度なまでの赤方偏移のせいでしょう。宇宙の膨張は様々なことを引き起こすが、その一つが、ビッグバンの想像を絶する猛火の熱を引き受けて、広げて薄め、単なるマイクロ波の雑音にしてしまうことです。

旧式のアナログテレビなら、ノイズの中に時々紛れているかもしれません。宇宙の膨張が反転するなら、この放射の広がりも反転するでしょう。特にどうという事もない低エネルギーの雑音だった宇宙マイクロ波背景放射は突然、青方偏移しはじめ、至ところでそのエネルギーと強度が上昇し、やがて極めて居心地の悪いレベルに達するのです。

 





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運動しない人のリスクとは
   投稿者: 仲條拓躬    
2025/08/26(火) 07:43
No. 7974
 
 
長時間座りっ放しの仕事をしていて、普段から運動習慣のない人は、心臓病になるリスクが2倍アップするというデータがあります。運動不足は心臓にとって大敵なのです。体中に血液を送り出して循環させている心臓は、ある一定の運動をすることで活発に働きます。

筋肉も大量の血液を必要とするので、体を動かすと心臓もいつもより活発に動いて、より多くの血液を送り出そうとするのです。心臓も筋肉ですから、適度な負荷がかかることによって鍛えられます。運動をしない人は、心臓をサボらせているといっていいでしょう。

そうした人は、加齢によって筋力が衰えてくると、心臓の筋肉もだんだん粗くなっていきます。心臓の筋肉を支える構造が脂肪に置き換えられ、筋肉自体がペラペラに薄くなってしまうのです。

日頃からあまり運動しないまま高齢になった女性が心筋梗塞を起こすと、心臓の右心室と左心室を隔てている壁が、ボンッと破けて穴が開いてしまう「心室中隔穿孔」(VSP)という状態が起こりやすくなります。

そうなると、左心室から右心室に血液が流れ込み、肺動脈圧が上昇して肺うっ血を起こし、呼吸状態が悪化して心不全が進行してしまいます。日頃から平地歩行のみで、ただ食事をして睡眠を取るといった生活をしている高齢女性は、だいたい1日2000〜3000歩しか歩かないといわれています。

そういう生活なら、心臓の筋肉が薄っぺらでもなんとかなってしまうので、心臓の筋力はどんどん衰えてくるのです。そんな人が急にジョギングを始めたりすると、心臓のトラブルにつながります。心臓にとって適度な運動がとても大切なことなのです。

また、若い頃から長期間にわたって激しい運動を続けていた人も、注意が必要です。たとえば、アスリートが現役を引退するなどして突然、ほとんど運動しないような生活にシフトすると、心臓の筋肉が薄っぺらくなってきます。

筋肉量が落ちて脂肪に変わってしまう「サルコペニア肥満」と同じようなことが心臓にも起こるのです。そうなると、不整脈疾患を起こしやすくなります。実際、アスリートのなかには「心房細動」で困っている方がいる方が多々いるといいます。

心臓がこまかく不規則に1分間に250回以上も収縮を繰り返す不整脈の一種で、これが起こると血栓ができやすくなり、脳梗塞などのリスクがアップします。日頃の運動によって、より多くの血液を体中に循環できるように鍛えられていた心臓は、それに見合った大きさになっています。

とりわけ、肺から血液を受ける左心房が通常よりも大きくなっているケースが多い。そうした人が運動をやめてしまうと、拍動をコントロールしているシステムが崩れて、心房細動を起こしやすくなるのです。

現役時代に頑張っていた人ほど、心房細動になるケースが多いといいます。アスリートと同様に、ミュージシャンも心房細動が多く見られるようです。歌を歌ったり、演奏活動をしたりする際、より多くの血液を循環させるような心臓の鍛え方をしているからでしょう。

また、アスリートやミュージシャンは、高血圧である傾向が強いことも、心房細動が多い一因です。運動も演奏活動も、ピーク時は血圧が180〜200くらいまで上がります。そうした血圧の上がり下がりを繰り返していることも、心房細動の原因になるのです。ずっと心臓を守っていくためには、年齢を重ねても、やはり適度な運動が大切なのです。

 






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