平成20年7月19日 朝日新聞北海道総合面
「北のことば抄」
平取に浴場一つ欲しいもの 金があったら建てたいものを 滅亡に瀕するアイヌ民族に せめては生きよ俺の此の歌 (違星北斗 「コタン」=『北海道文学全集 第十一巻』=立風書房) 金田一京助は随筆「違星青年」に「彗星の如く現れて、彗星の如く永久に消えて行った違星生」と追悼しているが、1901(明治34)年に余市で生まれ、29(昭和4)年に28歳の若さで没した。アイヌ民族三大歌人の一人といわれる。社会主義思想を持ち、民族の解放と自覚を訴えつづけて倒れたが、短歌は敬慕していたバチェラー八重子の影響によるところが大きい。故郷の余市に句碑、二風谷には歌碑が建っている。
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