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「海紅」投句板

自由律俳句結社「海紅」の投句板です。同人以外の方もどうぞご利用下さい。
海紅Webには http://kaikoh-web.sakura.ne.jp/WordPress/ からどうぞ。

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 ■ 夕陽を漂う
   ++ 田中教平    
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緑の栗ふうふともどもつかれている

はやく起こされ妻は私の不眠症を知らず

烏啼いているわたしはひとりぼっち

つかれてリハビリどころでない冬の入り

皿を洗う、しごとしつづける

つかれている、そればかりなり

午後寝て起きて濃い夢でした

起きてパスタを平らげる

起きてパスタを平らげた

妻がクックパッド眺めている秋の暮

ちょっと力を抜いて風に身を任す

風に身を任せていたら虫の声

すぐ悪く考える妻をねぎらう

頑張る日の、頑張れなくて、今頑張る

妻が指折り数え短歌詠む

風呂にもう一度入ろうか迷う

風呂に入ろうぜんしんを清めたい


..2023/11/02(木) 17:29 No.1146






 ■ 冬日待身
   ++ 田中教平    
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頭重たい朝じょじょに元気づけて

無性に腹立たしくひとっぷろ浴びる

すこやかなるかな朝風呂したあとは

よい音楽を聞いてよい朝となる

昨晩は頭おかしく困っておった冬の入り


木の斬る音がする刃の揺れているか

妻は眠って私はひとり自由律俳句

才能はない日々書きつづくのみ栗の実

ジュース買い行こうか出費する、する

徳を積んでぜんぶあの世へもってゆく


..2023/11/02(木) 09:50 No.1145






 ■ 朝焼空間
   ++ 田中教平    
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けさの寒さ煙草何本でも喫う

けさもう妻が疲れている

朝焼けに惚れているひとり

インヴェガ効いてくれ願って服す

体の組み立てがおかしいようなけさ

詩の好き度が希薄となって十一月

妻が蒲団をかぶって朝寝

コンビニへ栄養ドリンク買いにゆく

透明な空気の中へ出た

烏啼いてみんなひとり


..2023/11/01(水) 07:24 No.1144






 ■ 病中灰雲
   ++ 田中教平    
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病気の中のわたし見つめる

鬱の午後の体硬し

うしろにじぶんを見いだし怖れる

甘い頓服を飲んでごまかす

うっそうと雲の灰色つづく

私小説に正直うつであると書いた

腰も痛めばどうしようもない

つまも懸命である、わたしは煙草喫う

やわらかでありたい「青年茂吉」読む

夕飯のピザ待つふたりかな


..2023/10/31(火) 16:02 No.1143






 ■ 机上清浄
   ++ 田中教平    
[返信] [引用]

 

廊下にわたしを感じ扉を閉めた

ちちろの声のか細くなっているようだ

酒断って四年うつろなあしたの全くなし

定住しつつ秋の風に吹かれていた

あたらしい歯のこれで禁煙ガムが噛める


わが文学は口ごもりなり青空

どうして悩むことの日々をていねいにすること

机上清浄にして秋の夜が永い

とうめいでありたしつまり子供になりたし

ふかれつつきっと背中のさびしい秋ぞ




..2023/10/30(月) 21:49 No.1142











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