
自転車で走っていると、住宅街の路地におばあさんが足を伸ばして道路にペタンと座っていた。 横のブロック塀に杖が立てかけてあったので、ああ、転んで起き上がるところなんだなと思い自転車を止めて「どうしました、大丈夫ですか?」と声をかけた。 おばあさんが立ち上がるのを助ける気まんまんでいたのだけど、「大丈夫だよ、休んでるだけ」と言われてしまった。近所の人も心配して家から出て来たのだけど同じように「休んでるだけ」と言っていたので転んだにしても「休んでるだけ」なんだろうな。 自分も登山をしている時はその辺に座って休んだりおむすびを食べたりしていたので、人の本来の休み方は公園でも喫茶店でもなく、道ばたに座ることなのかもしれない。 昔、沖縄に長期滞在していたときの昼頃、部屋の窓をあけると5〜6人のおじさん達が道ばたでゴロゴロと寝ているのが見えた。東京だったら通報レベルの事件だけれど沖縄では違っていた。おじさん達はやがてむっくりと起き出して、歩道の草刈りを始めたのだった。草刈りの業者さん達が昼休みの食後に昼寝をしていただけだった。 「沖縄あるある」の話だけれど、これも本来の昼寝のしかたなのかもしれない。 食料の買い出しに駅へ向かう。ソメイヨシノは八部咲きってとこかな。 |