
母親の足が不自由になった頃、巻寿司を買って来てくれと言われてスーパーへ行った。 それまで一人でスーパーへ行って買い物をするなどという機会はあまりなく、巻寿司のようにセルフで自分で選ぶシステムなどどうして良いのかわからず、売り場からちょっと離れて他のお客さんを観察した。 ああなるほど、トングで挟んで容器に入れて輪ゴムで止めるのか。醤油もワサビもセルフなんだなと。 値段も100円以下でお手軽に巻寿司が食えるのは良いな、ということでそれ以降もたびたび買う様になった。 ところがだ、米不足の影響か最近は200円程するのですっかり手を出さなくなっていた。 そのせいで家に輪ゴムが無くなった。どうやら輪ゴムは巻寿司を買う時にもらっていたものでまかなっていたことに今日初めて気がついた。 というわけで久し振りに輪ゴムを買ってきましたという話。 ダイソーで輪ゴムを買い、ついでにその近くのスーパーへ立ち寄った。 午前中のスーパーはいつもお爺ちゃんお婆ちゃん達で混雑している。入り口でカゴを取ろうにも動作のゆるい年配客が溜まっていて手が届かない。しかし溜まっている割には整然としている。どうやら何かこっちの要領が悪いらしい。 まあ空くだろうと少し離れて待っていたら、腰の曲がったお婆さんが、ほいよっと言ってカゴを取ってくれた。 まだ年寄りとしてビギナーの自分を助けてくれる先輩のお婆ちゃん、という図式だ。ありがたいことだ。 自分も腰の曲がったお爺ちゃんになるまでにそう年月はかからないだろう。年寄りのスピードや要領を会得して行かねばならないな。 |