
物置の隅に転がっていた角材をひっくり返してみたら表札だった。これは父親の字かな。 私が生まれる前、両親が東京に出て来て最初に住んだところかな。 少し調べてみると文京区大和町というのは今の本駒込6丁目になるのだそうだ。六義園を内包し、近くには小石川植物園がある。 江戸時代は武家屋敷がならぶ地域で、そもそも六義園は徳川綱吉時代の大老柳沢吉保の下屋敷跡だそうだ。 ずいぶん良いところに住んでたなと思わなくもないが70年くらい前の話だから江戸時代とも現在とも風景は違うだろう。当時の山手線の外側は、西は武蔵野の林で東は下町を経てその先は湿地帯のようなものだから、父親のような勤め人が住むにはほどほどの場所だったのかもしれない。 最寄りの駅は駒込駅だけれど、今では都民でも駒込駅という駅があることを知らない人がいるらしい。高輪ゲートウェイ駅よりは風情のある地名だと思うけれど、これは昭和の感覚なのかしらね。 |