
大きな月だ。 夜道を自転車で走っていたら突然、自転車のライトに照らし出されて大きな生き物の影が浮かび上がった。 体長1mはあるだろうという巨大な蜘蛛のようだ。 嫌な汗が背中を伝い、生命の危機を感じて自転車をとめた。そいつはライトの明かりの中で少しうごめいた後、暗闇に消えていった。 ふと何かを感じて下に目を向けると、自転車のライトの向こう側からちょろちょろと小さな蜘蛛が顔をだした。 なるほどね、ライトにこいつがくっついていて道路に拡大投影されていたということか。 驚かすんじゃねーよ。 都会から田舎に引っ越して来た人の多くが感じるのが虫の多さだそうだ。 自分もそうだし今もそう思うけれど、虫への感じかたはだいぶ変わってきた。 黒い蟻のいるところにはシロアリは居ないと言われれば黒い蟻は家を守ってくれる番人のように思えるし、時々家の中を走り回っているゲジゲジもゴキブリの天敵だと聞けば心強い相棒に思える。 夏になれば蚊が出るけれど、家のまわりを巡回しているシオカラトンボがそこそこやっつけてくれるので家に潜り込んで来る蚊は蚊取り線香でもつけておけば問題ない程度だ。オニヤンマにいたってはスズメバチですらやっつけるというから空中戦においては最強の虫かもしれない。 今日驚かされた蜘蛛も庭からつれてきてしまったヤツだろう。蜘蛛も蚊や蛾の駆除に役立っているのだけれど、蜘蛛の巣は巡回してくる大きなアゲハチョウに粉砕されてしまうので、日々修復に忙しいようではあります。 |